第10回 持つべきものは友と師 中年からの英語の学び方 北方ジャーナル連載
これは北方ジャーナルに連載中の記事を、
北方ジャーナル様のご厚意でHPに掲載させていただきました。
2006年11月号掲載分
北方ジャーナルでは縦書きの文章を、HP用に横書きにした関係で、
数字などは算用数字に書き換えています。
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みらい英語教室代表の写真中年からの英語の学び方

 第10回 持つべきものは友と師

みらい英語教室代表  須釜 高雄
 私の英会話事始は学生時代にさかのぼります。20歳の青春真っ只中、前途には未来が根拠もなく洋々と広がり、英語を自由自在に操って雄飛する夢を見ました。
しかし、今と違って英語の効果的な勉強法など知るすべがありませんでした。指南してくれる人も身近になく、近所のYMCAに通ってみたり、札幌オリンピックを当て込んだ通信教育にも乗せられたりしました。
なかなか勉強が実らず、壁にぶつかっていたころです。
英国で2ヵ月間ホームステイをして語学学校に通うという広告が目に飛び込みました。甘い広告文に「そうだ留学すれば、英語なんて自然と身につくのだ」と信じました。そうして英国で2ヶ月間の短期留学をしましたが、そんなに甘いものでなかったことは前号に書いたとおりです。

 残念ながら当時もその後の20数年間も、私には師と頼る人も志を同じくする友もいませんでした。「自分も英語を勉強している」という人に一人も出会えなかったのです。年齢を経るほどに、これがいかに不運だったかということに気づかされます。
語学を身につけるには長い年月がかかり、次々と難問が湧きます。質問に答えてくれる先輩や先生がいるといないとでは大違いです。
また励まし合い競い合う友がいると元気が出るばかりか、お互いの経験や情報を交換して無駄を省くことができます。

 40歳のころ、子供たちと遊ぶ時間もいらなくなり、職場も週休2日制となって、時間の余裕ができたことから、徐々に英語の勉強を再開しました。以前に書いたとおり、あまり熱を入れてスタートしすぎるとちょっとした障害で簡単に頓挫しがちですが、努めてずぼらなスタートをしたのが功を奏し、次第にのめり込んでいきました。
でも独学だったので常に山ほどの疑問に悩まされ続けました。

 40代の半ば頃、札幌英会話協会(通称アクセス)を知りました。これは1962年に発足した、英会話サークルのさきがけで、のちの宇宙飛行士、毛利衛さんも会長を務めたほか、幾多の逸材を輩出した名門サークルです。毎週金曜日の午後7時から、札幌市民会館の大会議室に60名ほどの有志が集っていくつものグループに分かれ、思い思いの勉強や会話練習をしています。私はここに入って、今まで出会えなかったたくさんの仲間に出会い、「頑張っているのは自分だけではなかったんだ」と実感し教えられ、たくさんの刺激を受けました。

 私は学生時代、真面目に英語を学ぼうとする友を求めて手を尽くしたのにアクセスには出会えませんでした。後から知れば、その頃のアクセスは草創期を経て、大勢の若者がカンブリア期さながらに切磋琢磨する集団であったわけです。もしも当時アクセスに出会っていたら、その渦の中に飛び込んで揉まれて、私の英語はもっと早くに何とかなっていたと思います。その後の人生も全く違ったものになっていただろうと悔やまれます。
アクセスは今も健在で、金曜日の夜、市民会館に大勢集って勉強しています。ただ市民会館の取り壊しによって、来春以降は会場が変わる予定ですが。

 独りでこつこつと英語を学ぶ人は今も多いと思いますが、私の轍を踏まずに、ぜひ師を、友を見つけて勉強してほしいと思います。書店には本が並び、新聞雑誌には通信教育の広告が溢れます。それらの中から教材を見つけるのも一方ですが、本当に人を刺激し、成長させるのは人です。
仲間との交流を求めて行動してみて下さい。
 
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