第6回 オールディーズのすすめ 中年からの英語の学び方 北方ジャーナル連載中
これは北方ジャーナルに連載中の記事を、
北方ジャーナル様のご厚意でHPに掲載させていただきました。
2006年7月号掲載分
北方ジャーナルでは縦書きの文章を、HP用に横書きにした関係で、
数字などは算用数字に書き換えています。
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みらい英語教室代表の写真中年からの英語の学び方

 第6回 オールディーズのすすめ

みらい英語教室代表  須釜 高雄
 私が最初に英語に興味を持ったきっかけは中学時代に一世を風靡した60年代ポップスの数々に魅せられたことでした。あの頃は英米、そしてフランス・イタリアなどからポピュラー音楽が洪水のように流れ込み、毎晩遅くまでトランジスターラジオに聴き入ったものでした。
何を歌っているのか知りたくても、当時の中学生には本物の英語はまったく聴き取れず、学校で習う英語は本物とは違うと本気で信じていたくらいです。
歌は英語の発音練習に最適です。映画と違っていくら聴いても飽きませんから、繰り返し聴くうちにかすかな息づかいや声の表情まで憶えてしまいます。
良い発音指導が伴えば一層効果的です。

 当時のテレビではポピュラーソングをでたらめな発音で歌う例はざらでした。最近はずいぶん改善されて安堵しています。きっと専門家が指導しているのでしょう。ところが今でも時々時代錯誤なことが起こります。
 あるとき、ホテルのパーティーで、良く知られたジャズ歌手が登場して歌いました。映画「慕情」のテーマ、Love is many splendored thingです。Love is many splendored〜と良く通る声で歌い始めましたがそのあとがいけません。thingではなく、singと歌うではありませんか。thの発音ができない人だったのです。そんなことを気にする人はあの会場に一人もいなかったでしょうけれど、米国でも歌ってきたと言いますから私は一人で赤面しておりました。

 米米クラブの大ヒット曲、「浪漫飛行」のCDを聴いていたら石井竜也が「〜in my hurt」と歌うのでびっくりしました。hurtは傷つけるという意味です。本当はheart(心)ですから発音がまったく間違います。あれほどの人気アーティストの録音に際して発音のチェックをする人がいなかったとは驚きます。のちにテレビで歌う時の彼は、ちゃんと直して「in my heart」と歌っていました。誰かが注意したものと思います。日本だからかまわないといえば、そうかもしれませんが、どこで英米人が耳にするかもしれません。言葉には魂が宿ると言います。おかしな発音で歌われると英米人には聞くに堪えないことでしょう。

 私は10代・20代の頃に洗礼を受けた名曲の数々を、「意味を理解して、正しい発音で、上手に」歌いたいと長年思ってきました。年を追ってカラオケが充実してきますが、50年代・60年代のポップスは逆に減ってきて、淋しく思います。
「ロシアより愛を込めて」を歌ったマット・モンローには「ウォーク・アウェイ」という名曲もあります。想い続けた女性に本心を隠して「僕の前から去ってくれ」と懇願する歌詞は心を打ちます。
パット・ブーンは「砂に書いたラブレター」だけでなく、「アイルビー・ホーム」という名作も歌っています。アメリカの田舎町で若者が恋人への素朴な愛を歌うのを聞くと、「もうあんな時代は来ないのか」と感傷的な気分になります。

 50年代・60年代ポップスが好きな人たちで歌う同好会なんかできたら楽しいと思います。本気で練習したい人一緒にやりませんか。
 
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